柚子の使い道
皆さん、こんにちは。
今年はコロナの影響で患者さんの面会や外出が制限され、今まで取り組んでこられた作業療法での活動も制限されるなど、活動範囲は狭まるばかりです。さらに、当院の付近で熊が出たということで、畑プログラムに参加されている患者さんは畑に行くことも難しい状況です。
こうした適切に仕事、日課、遊び、休息などができない、それらに関われない状態を作業療法では、作業機能障害といいます。つまり、当院の患者さんは本来の疾患以外からも作業機能障害という状態に陥るというトリプルパンチを受けているということです。
そんな中、患者さんからアイディアがでました。地域の方から頂いた柚子を調理しようというのです。外出や畑プログラムはできないが、せめて何か楽しみを持てないかという患者さんの思いが伝わってきました。
実は作業療法士も柚子を直接料理したことがなかったのですが(お風呂に入れるか、ちょっといいお店の料理に皮が添えられているのを見るくらいしかなかった)、今回は柚子のジャムとシャーベットに挑戦しました。柚子って皮も中身も丸ごと使えるんですね。
柚子のとても良い香りの中、できないことを補い合い、ああだこうだと談笑しながら患者さん自身で選択した作業を行う姿は、束の間ですが作業機能障害から解放されたように感じました。
できあがったジャムやシャーベットはどちらも甘酸っぱく、ほろ苦く、とてもおいしかったそうです。
当院の作業療法ではこうした作業機能障害に立ち向かう患者さんを少しでもサポートできるよう尽力したいと考えています。