エピソード2:小動物たちの逆襲

今回は前回に引き続き畑プログラムの歴史、第二弾となります。

BBQパーティーが開かれ、農園者達は喜びとやる気に満ち溢れていました。参加者も徐々に増えだし、若い参加者も現れ、安定した運営を続けられると思っていた矢先、さらなる難問が持ち上がったのです。
バッタです。
かつてこの地で猛威を振るっていたバッタたちが農園を襲い始めたのです。作業療法の勉強にきていた学生が植えた小松菜、キャベツ、ブロッコリーは無残に食い荒らされました。(この学生は幸いにもこの無残な姿を見る前に勉強を終えました。また、ほかの学生はなぜかドングリを植えていったので虫たちには全く相手にされていません。)
農園長は「背中にバッタがついた!」とか、「肩に何か触った!」とか逃げまどいながらも、害虫駆除スプレーで対抗しました。患者の中でもこの事態に対抗しようと立ち上がるもの、あまりの惨状に立ち尽くすもの、ベンチに座ってお茶を飲んでいるものなど『ふれあい農園』はパニックです。
そこにさらなる問題が浮上します。
カラスです。
ある日、ナースセンターの窓から『ふれあい農園』を見下ろしていた看護師から報告がありました。
「あんたら(農園者たちが)帰った後すぐにカラスたちが集まってくる。まるで地獄や。」
そう、カラスたちは農園者たちが帰った後に玉ねぎやトマト、さらに今回の目玉であったトウモロコシをついばみにやってきていたのです。
慌てた農園長と患者は会議を開きました。そして、作物の周りにポールを立て、ネットを張り巡らすことにしたのです。
10月。小動物たちの逆襲をなんとか退け、農園者たちは2回目のBBQパーティーを開きました。苦労のかいあって食べるBBQは最高です。看護師からも肉の差し入れがありました。もちろん、玉ねぎやトマト、トウモロコシも無事です。
冬になり、『ふれあい農園』は2年目を無事終えようとしていました。しかし、まだ問題は終わりではなかったのです。
農園長が『ふれあい農園』を去ろうとしていました。